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写真4 100歳スイマー、トムレーンさんのダブルアームリカバリー背泳

あった。
これらの事実からも、背泳ぎは女子に適した水泳種目ということができる。日本のマスターズスイマーの中でも、竹宇治聰子選手は50歳〜54歳の背泳ぎで、50m,100m,200mの世界記録を保持している。
年齢が極めて高くなり、筋力が衰えたりしても背泳ぎは泳ぎ続けることができる。100歳スイマーのトム・レーンさんは、マスターズ最高齢泳者として有名であるが、彼の泳ぎ方はダブルアームリカバリーの背泳ぎである(写真4)。100歳のときに、100mを4分05秒98で泳いだが、上手に浮力を使い、楽に伸びをとった泳ぎ方は大変優れていて実に美しいものであった。後で目が不自由であるということを知ってびっくりしたが、明るい、さわやかな、背すじのしゃんと伸びたスマートな紳士であった(写真5)。1894年に生まれ、1世紀を生き続けた人とともに泳げる喜び、皆が礼儀正しく、尊敬の念を持って迎える場に居合わせることの幸せ。マスターズ水泳大会の大きな意義のひとつである。勝負だけでないスポーツの本来あるべき姿へ気づきを与えてくれたひとときであった。

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写真5 98歳の時のトムレーンさん無駄な肉のない均整のとれた美しい身体

 

 

 

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